第95回「江戸時代の酒作り―誇るべきバイオテクノロジーの源流」
日本酒の作り方はワイン等に比べても非常に複雑かつ手間のかかることのお話がありました。これは技術的に は醸造学でだいぶ解明されてきています。良い酒には「良い米と水」と「杜氏の技術」と「寒い気候」が必要で すが、いまだに全てが判っていることではないようです。酒の腐敗防止の「火入れ」は、ワインの腐敗防止のパ スツールの提唱した「低温殺菌」と似た手法であり、パスツールより300年以上も前に既に日本で確立されて いたとのことです。まさに日本の誇るべきバイオテクノロジーの源流が酒作りにあります。身近なお酒のお話で したので、聴衆の方からも質問も多く楽しい講演会でした。