第231号 (2026年3月5日発行)
巻頭言
2020年10月、菅義偉首相は「2050年カーボンニュートラル宣言」を行った。さらに2021年4月には、2030年度に2013年度比46%削減(実質50%)を目指す方針を示した。その後、岸田文雄内閣は2025年2月、2035年度60%削減、2040年度73%削減を閣議決定し、日本政府は当初の脱炭素方針を維持・強化している。欧州においても長期削減目標の強化が進んでいる。一方、米国では政権交代により方針が変動しており、トランプ氏は再びパリ協定からの離脱を進めるなど、国際的な脱炭素枠組みとの距離を広げる動きも見られる。国際的な脱炭素の潮流は、必ずしも一様ではない。それでも2021~2022年にかけては、米国を含め世界各地で多くのCNX関連プロジェクトが立ち上がった。CNX関連プロジェクトとは、CO₂から合成燃料等を製造するCCUプロジェクト、および地中や海洋にCO₂を貯留するCCSプロジェクトを指す。しかし2026年現在、状況は厳しく、完全に商業化・実装(materialize)された案件は限られている。主として欧州で十数件、中国で数件のCCSプロジェクトが進展しているにとどまるとされる。これらのプロジェクトにおける典型的なCO₂回収・貯留コストは約100ドル/t-CO₂といわれ、多くが政府等の公的資金によって支えられている。なお、米国の税額控除水準は約85ドル/t-CO₂、日本の支援水準は85~130ドル/t-CO₂とされる。一方、ある研究では、CCSプロジェクトが自立的に成立するためには200ドル/t-CO₂程度が必要との指摘もある。日本のSAF事情を見ると、2024年度の支援水準は30円/L-SAF程度である。しかし、私のCO₂由来液体燃料のコスト試算では、FTルート等の経路差はあるものの、おおむね400円/L-液体燃料となる。政策目標と実装コストの間には依然として大きなギャップが存在している。
理事 坂下幸司
2月度理事会より(第226回 2月4日)
- バイオマス発電事業へ進出する事業者とのコンサルタント契約締結に向けて、契約内容、事業計画概要等について確認し、契約締結履行する事を承認した。
- SEF規定の一部見直しに関して検討し、黒澤専務理事からの提案を承認した。
- 来期(2026年度、第25期)の活動方針の基本として、想定事業規模を12,000千円とする事で合意を得た。これに基づき詳細の検討に入る。
- 第24期(2025年度)中間会計監査を終えた旨の報告が有り、監事から監査報告が有った。
- その他、会計報告、会員異動の報告が有った。特に1月度には正会員入会1名、準会員入会1名、準会員から正会員への異動3名と、多くの動きが報告された。
理事会後、2月度会員交流会を開催しました。寒い中にも関わらず、久しぶりに20名を超える23名の正会員、準会員の参加(内2名はリモート参加)を得る事が出来ました。Special Speechを正会員の小田島氏にお願いし、氏が直接感じている生成AIの導入の難しさについて、話を聞く事が出来ました。生成AI技術の活用は、今世界中で華々しく広がっている様に見えますが、実際にそのサポートをしている技術者が感じる、世間の印象とちょっと違った感覚の話でした。皆さん非常に興味を持って聞いていただけたように思います。その後軽い飲み物と軽食を共にしながら、しばし会員間の交流を図り、楽しい一時を過ごしました。



事務局
事業報告 (プラント事業部)
SEFプラント事業部では、プロセス産業に関わるお客様企業の業務支援を中心に活動を展開しております。近年、分散、再生可能エネルギー分野への関心の高まりを受け、プラント建設を計画されている企業や、関連する電気・機械設備の提供企業からのご依頼が増加しています。
これらご要求に対応すべく、当事業部ではバイオ関連プロセスを含む再エネ特有の技術課題にも柔軟に対応するため、と同時に深い技術専門性を持つSEF会員特性を生かすために、業務支援案件ごとに最適なチーム体制を構築しています。
また、全産業で注目されているAI技術についても、SEF主催のセミナーを通じてお客様の関心の高さを実感しており、今後はプラント関連業務へのAI、生成AI適用業務支援にも注力してまいります。
また、全産業で注目されているAI技術についても、SEF主催のセミナーを通じてお客様の関心の高さを実感しており、今後はプラント関連業務へのAI、生成AI適用業務支援にも注力してまいります。
担当理事 堀越繁
New Face紹介
高橋明美氏 (2025年8月13日正会員入会)

SEFサロン (第145回案内)
第145回案内
日時:2026年3月10日 15:00~16:30 開催形式:リモート
講演テーマ:ICT/AI技術で変わる・変える上下水道施設のDX事例紹介
講師:矢澤伸弘氏 月島JFEアクアソリューション(株)技術本部 技術企画センター DX推進室長
講師略歴:1994年に月島機械(株)に入社。国内外のプラント設備の電気計装設計に携わり、
2018年からはAIも含めたICT技術を活用したソリューションの開発に取り組む。
現在は月島JFEアクアソリューション(株)のDX推進室長として水環境事業の
DXを推進中。
講演概要:画像解析、機械学習、モデル予測制御の3つの異なるAI技術を組み合わせた事例の紹介です。グローバルなデジタル革新が各業界で進む一方、上下水道施設においては少子高齢化の影響や施設の老朽化が課題となっています。
本講演では月島JFEアクアソリューション株式会社でのAIを含むICTを活用したDXの取り組みと課題解決事例について紹介いたします。
本事例でのAI活用の特徴は①高度な「自律制御」の実現(30日間無操作運転) ②炉内AIドローン点検への応用 ③四足方向ロボット自動点検 です。
DXに関する取り組み事例では以下の内容を紹介致します。
四足歩行ロボット自動点検実証事例紹介
ロボットの活用と最適化された現場のイメージ
DX総合ソリューション「OPTINOA オプティノア」の紹介:
(1) 集中監視センターの増強
(2) AI制御による「創エネルギー型脱水焼却システム」の自動運転
(3) 炉内点検へのドローンの適用
(4) 時系列データ異常検知システム
(5) 汎用画像異常検知システ
(6) 維持管理を起点としたアセットマネジメント
理事 任田 典平
2月度会員動向
会員の入退会
入退会の変動は有りませんでした。
2月末日現在の会員数
正会員: 25名、 準会員: 56名、賛助会員: 7社
事務局
